コラム column
婦人科、生殖医療、不妊治療、産科の基礎知識や知っておいてほしいことなど、患者様へご説明させていただいている内容を項目別に掲載しております。
婦人科、生殖医療、不妊治療、産科の基礎知識や知っておいてほしいことなど、患者様へご説明させていただいている内容を項目別に掲載しております。
女性は生活習慣やストレスから身体が変化しやすく、忙しいからと心身の変化を後回しにしていると大きなトラブルにつながります。働き盛りの女性だからこそ、身体から出るサインにもしっかり気付き、早めの対処を行いましょう。働く女性の悩みで増加傾向にあるのが、生理不順や婦人科系のトラブルであり、その原因のほとんどは冷えによるものです。
冷えは冷房が効いた環境で長時間過ごすことや、十分な防寒を行わないことで起こります。また、普段から冷え対策を意識するだけではなく、選ぶ食事によっても影響します。普段から冷たい飲み物を好むという方は、温かい飲み物や常温の飲み物を選ぶようにするとともに、食べる食事も冷えたものではなく温かいものを選ぶようにしましょう。もちろん、心身のケアを守るためにはストレスを溜めないことも大切です。
早い段階で悩みを打ち明けることができれば、迅速な治療につながり、早い解決を目指せるでしょう。健やかな生活を守るためにも、お気軽に足をお運びください。
女性は年齢に合わせて女性ホルモンの分泌が変化するため、身体の変化に伴い悩みや症状も変わります。ライフステージに合わせた変化に注目することで、どのような悩みが出やすいのか事前に把握・予防するとともに、心当たりがある方は早めのケアを目指しましょう。
思春期といわれる10代頃の女性は、成長に伴い女性ホルモンが増えていきます。その頃の悩みとして多くあげられるのが、月経不順・過度なダイエット・望まない妊娠などです。成熟期に入る20代から40代頃の女性は、乳がん・うつ・子宮関係の病気による悩みが多い傾向にあります。閉経がはじまる50代以降の女性は、更年期障害や尿もれなどの悩みが多くなるでしょう。適した治療や予防を目指すなら、専門である産婦人科に足をお運びください。
当院では産科として女性の心身を大切にする治療はもちろん、婦人科診療・婦人科検診・ワクチン摂取などに対応していて、ご相談に合わせた適切なアドバイスを行います。多くの女性が安心して生活できる状態を保てるようサポートさせていただきます。
女性の身体は日々の生活やストレスなどで変化しやすく、体調に合わせたケアや生活を心がけることが大切です。特に妊娠したと感じた場合は、心身の健康に一層気を遣い、健やかな赤ちゃんの誕生を目指しましょう。女性が「妊娠したかな?」と感じるきっかけは、様々なものがあります。
例えば、二日酔いのようなだるさが続き、集中力を維持しにくい場合も妊娠のサインとしてあげられます。また、めまい・頭痛・胸の張りなど、普段は感じないような症状をもとに妊娠に気付く方もいらっしゃいます。妊活中で普段から毎日基礎体温を測っている方であれば、高温期が継続していることによって早めに妊娠に気付くことができます。普段から自身の体調の変化に注目し、出産に備えた準備を行いましょう。
出産時には、痛みや緊張から呼吸が乱れやすくなります。しかし、きちんと呼吸ができなければ赤ちゃんに十分な酸素を届けることができません。そうならないように、こちらでは代表的な呼吸法を2つご紹介します。
有名な呼吸法である「ラマーズ法」は、良く知られている「ヒッ・ヒッ・フー」の他にも、お産の進み具合に応じて様々な呼吸法があります。
陣痛が始まったら深呼吸をして、ゆったりと3拍子のリズムで「ヒー・フーー」と息を吐きます。子宮の収縮がおさまってきたら大きく深呼吸をしましょう。
少しずつ陣痛が強くなってきたら、鼻から息を吸って「ヒッ・ヒッ・フー」と吐き出します。最初の「ヒッ・ヒッ」は息を短く、「フー」で長く息を吐ききります。陣痛の波が強くつらい時は、「フー・フー」と長めに息を吐き、いきみを逃しましょう。
子宮口が全開し、「いきんで!」と言われたら「フー・ウン!」と思いっきりいきみます。赤ちゃんの頭が出てきたら、全身の力を抜いてゆっくり「フーフー」と深く息を吐きましょう。一回のいきみで出てこなかった場合は、次の波がくるまで力を抜き、「ハッハッハッ」と息を吐き続けてください。
ソフロロジー法はヨガと座禅が取り入れられた呼吸法で、基本のポーズはあぐらです。できるだけ長く息を吐くことで身体がリラックスし、余計な力を入れずに出産に臨むことができます。
陣痛の強い波がくるまでは、自分の一番ラクな姿勢で過ごし、陣痛の波がきた時にあぐらをかきましょう。呼吸は、なるべく長くロウソクを吹き消すようなイメージで「フー」と息を吐き、波が去ったら全身の力を抜きます。
子宮口が全開になり陣痛が強くなってきたら、波に合わせてゆっくり息を吐き、少しいきみます。息を止めずにいきむのがコツで、そう難しくはありません。
ソフロロジー法は「ゆっくりと息を吐く」ことに集中して、息を吐いた後は自然に空気が入ってくるのを待てばいいのです。そして、陣痛の波が去ったら全身の力を抜いてリラックスします。こうすると子宮にかかる内圧が下がり、赤ちゃんに酸素が届きやすくなります。
赤ちゃんの頭が見えてきたら無理にいきまず、再度ロウソクを吹き消すようなイメージで「フー」とゆっくり息を吐きましょう。リラックスすることで産道が緩み、赤ちゃんは自然に下りてきます。
妊婦さんが感染症にかかると、胎児に影響を与えることがあるため注意が必要です。秋田市にある当院では、産科・婦人科・産婦人科として妊婦健診を行う他、性感染症などにも対応しています。
感染症は早期発見が重要ですので、少しでも体調不良を感じた時は早めに当院へご相談ください。以下では、妊娠中に気をつけたい主な感染症についてご紹介します。
風疹ウイルスによる飛沫感染が原因で起こり、感染すると体中に赤い発疹が出たり、38℃前後の熱が出たり、関節痛がするなどの症状が現れます。妊娠初期に風疹に感染してしまった場合、胎児が難聴や白内障・緑内障、心臓疾患などを引き起こすこともあるため注意が必要です。
幼児期に男女とも予防接種を受けている人がほとんどですが、男性は女性よりも予防接種の始まった時期が遅かったため、一度ご自分の母子手帳を確認してみてください。感染症予防は女性だけでなくパートナーの方の意識も重要となります。
水ぼうそうは水痘・帯状疱疹ウイルスによる空気感染、または飛沫感染が原因で起こる感染症です。感染すると発熱と倦怠感があり、その後全身に赤い発疹が現れます。
水ぼうそうは子どもがかかるものというイメージがありますが、幼少期にかかった覚えのない方もいらっしゃるでしょう。妊娠初期に水ぼうそうになり胎内感染してしまうと、胎児の四肢や脳、筋肉や目などに障害が出ることがあります。また流産や早産のリスクも高まります。
バルボB19ウイルスによる飛沫感染が原因で起こり、感染すると頬がりんごのように真っ赤に腫れることから“りんご病”と呼ばれています。頬が腫れる他、倦怠感や発熱、頭痛や筋肉痛などの症状が出ます。妊娠中に発症して胎内感染すると、流産や死産のリスクが高まるため注意が必要です。
性器ヘルペスは性感染症の一つで、性交渉だけでなく病変部に触れた指で触ったものから感染することがあります。一度感染すると外陰部がかぶれたり水疱ができたりします。病変が外陰部にある場合は、産道感染で赤ちゃんが肺炎や脳炎を引き起こすことがあるため、帝王切開での出産になる場合もあります。
人工的な妊娠中絶(中絶妊娠)はどのような場合であってもできるとは限りません。
日本では母体保護法という法律によって決められており、それに反する場合は中絶することができないことになっています。人工妊娠中絶が認められるケースは次のような場合です。ひとつは、母体の健康上、妊娠の継続または分娩が困難な場合または経済上の理由がある場合。もうひとつは、暴行もしくは脅迫によって性交の抵抗・拒絶することができなかった場合です。
手術を行うのは母体保護法指定の資格を持つ医師に限ります。
人工妊娠中絶手術は、どの産婦人科でも受けられるものではありません。母体保護法では中絶手術が行える医師を「母体保護法指定医」と定めています。そのため、手術を受けるのであれば、各都道府県の医師会が指定した母体保護法指定医のいる病院に行きましょう。
当院は、母体保護法指定医のいるクリニックですので安心してお任せいただけます。
手術ができる時期は、母体保護法によって妊娠22週未満(妊娠21週と6日まで)と定められています。それ以降は母体にかかるリスクの大きさや倫理的な問題から、中絶手術は認められていません。
妊娠6~9週の初期中絶が母体にかかるリスクも低く、妥当な時期とされています。初産婦か経産婦かによっても少し違いますが、妊娠4~5週では子宮頸管が非常に硬く、中絶手術での子宮頸管拡張操作も極めて困難です。
一方、妊娠10週を過ぎると胎児もどんどん大きくなり、それに比例して手術も難しく、母体への負担も大きくなっていきます。妊娠12週を過ぎると中期中絶手術となり、薬剤で人工的に陣痛を起こして流産させる方法が一般的です。
日本では12週を超えて中期中絶手術を行った場合、死産の届出が必要になるため、11週目までに手術を受ける方が多いです。
手術によって「妊娠しにくくなるのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、手術後に感染症になったり、子宮を傷つけて子宮穿刺や腹膜炎などを起こさなければ、そのような心配はほとんどありません。
手術がスムーズに終われば子宮も元の状態に戻ります。ただし、中絶手術の精神的なストレスからホルモンバランスが乱れると、卵巣機能に異常が出る可能性は否定できません。
心身のケアをしっかり考えている産婦人科を選ぶことが重要となります。
妊娠中絶を行う際はいくつかの書類が必要です。
同意書・身元の確認ができる書類(免許書や保険証)・保護者の同意書(未成年の場合)などが挙げられます。同意書は基本的に受ける本人と相手の方のサインが必要です。しかし、妊娠の発覚後に相手と連絡が取れなくなってしまった場合などは、本人の同意だけで中絶することができます。また、未成年が行う際は親の同意が求められます。
事情によって親に内緒にしたいという方も少なくありませんが、中絶は立派な手術行為です。麻酔をかけて行いますし、出血を伴うこともあるので、親の同意なしではできません。初期に行うことで母体への影響も軽減できるので、意志が固まっているのであれば早急に産婦人科を受診することをおすすめします。
妊娠中絶の手術は、子宮や母体にどうしても負担をかけてしまうものです。そのため、手術後は身体と心のケアをしっかり行い、回復に向けてゆっくり休みましょう。手術後の体調管理や気をつけたいポイントをいくつかピックアップしてご紹介いたします。
妊娠中絶の手術後、特に注意していただきたいのが感染症です。手術後の母体は体力を消耗し、子宮も傷を負った状態ですので、日常生活では清潔と安静を心がけてください。術後1週間は湯船ではなくシャワーだけで済ませ、過度な運動や手術直後の性交渉は避けましょう。
個人差はありますが、妊娠中絶の手術後に生理痛のような鈍痛を感じることがあります。これは子宮収縮による痛みですので、ほとんどの方は痛み止めを飲むと腹痛も治まります。ただ、痛みがひどかったり発熱した場合などは、すぐに当院へ受診してください。
手術後の出血量も個人差が大きいです。ほとんど出血が見られない方もいれば、妊娠中絶の手術から数日経って急に出血する方、また最初から出血が多かったり、血の塊が出てきたりすることもあります。妊娠中絶の時期や子宮内膜の状態などにより量や期間は異なりますが、約1~2週間出血が続いたとしても、少しの出血量であれば大きな心配はありません。ただ出血が多く3日以上続くようでしたらご連絡ください。
生理は手術から1ヶ月程度で来ることが多いですが、ホルモンバランスの乱れや心理的なストレスなどで遅れたり、早まったりすることもあります。
手術後は排卵周期がわかりにくく、性交渉をしてすぐに妊娠する場合もあるため注意しましょう。手術から1ヶ月経っても生理が来ない時は、必ず受診してください。
当院では、母体保護法指定医による婦人科の診療を行っておりますので、安心してお任せいただけます。
妊娠中の約10ヶ月かけて大きくなった子宮は、産後6~8週間かけて元の大きさに戻ります。特に産後2週間は、布団を敷きっぱなしにしてとにかく横になって休むことが大切だと言われているため、実家のご家族に協力してもらえる里帰り分娩は母体をしっかりと休ませることができて安心です。
もし、この時期に無理をしてしまうと、回復が遅れるだけではなく育児に必要な体力が蓄えられません。赤ちゃんのおむつ替えや授乳以外は、家族に甘えて身体をしっかりと休めましょう。産後3~4週間になれば、体調を気にしながら少しずつ家事を始めても大丈夫です。
しかし、昼夜問わず赤ちゃんのお世話をするため、少しでも体調が悪いと感じたらすぐに横になって休むようにします。
生殖医療とは新しい医療を用いた不妊治療のことであり、治療を行うためには専門的な知識はもちろん高度な技術が必要です。一つは、体外受精・胚移植による未受精卵を体外に取り出して精子と共存させる治療法です。顕微授精は細い針を用いて卵子の中に精子を入れる治療法であり、凍結胚・融解移植は体外受精の際に得た胚を凍らせてとっておき、その胚を溶かして移植する治療法です。
こうした治療法はすべて生殖医療に分類され、必要な設備や技術によって人工的な妊娠を目指します。生殖医療を受けられるのは、これまでは先端的な医療が可能である大学病院などが主でしたが、技術が安定し、器具・試薬が一般化した近年では、専門のクリニックでも受けられるようになりました。当院では最新の機器を導入し、より良い医療を提供できるように努めています。
高度な生殖医療を行う当院では、不妊検査・治療を通して、お二人が幸せになれますようお手伝いいたします。こちらでは不妊症に陥りやすい生活習慣について紹介していきますので、参考にしてください。
煙草は血流を悪化させて卵巣機能の低下を招くため、妊娠したいとお考えの女性は喫煙を控えなければいけません。また男性の場合も、喫煙は精子の運動能力を低下させてしまい、卵子までたどり着くことができなくなってしまうため控えたほうがいいでしょう。
他にもEDの原因になったり、DNAの破壊にもつながったりしてしまうので、男女ともに禁煙することをおすすめします。
適度なアルコールであれば不妊への影響は少ないですが、飲みすぎは妊娠率を低下させてしまいます。
男性の場合も過度な飲酒が精子の量を減らしたり、質を低下させたりするため注意しましょう。毎日アルコールを飲む習慣がある方も、できれば週に2日は休肝日を設けてください。
私たちの身体は食事によって栄養を摂取するため、乱れた食生活では栄養バランスも乱れ、不健康な身体になってしまいます。忙しいからと食事を抜いたりせず、毎日なるべく同じ時間にバランスの良い食事を摂るように心がけましょう。
身体の冷えは血流を悪くするだけでなく、子宮や卵巣は冷えに弱いため生殖機能の低下も招いてしまいます。
また、冷えは妊娠した後の胎児にも悪影響を及ぼすため、早めに改善することが大切です。身体を温めることで子宮や卵巣の機能は高まるので、湯船に浸かったり、ホットドリンクを飲んだり工夫しましょう。
女性は身体を温める工夫が必要ですが、男性は温めすぎに注意です。
なぜなら男性の睾丸で作られた精子は熱に弱いからです。精巣が体温ほどの高い温度になると、精子の数の減少や運動性に支障をきたす恐れがあります。精子のDNA損傷の原因になるとも言われているため、長時間サウナに入っていたり、熱いお風呂に毎日入ったりしている方は注意が必要です。
また、一日中座りっぱなしという方も、一時間に一回は立ち上がって下半身の温度上昇を抑えましょう。
不妊の原因は人によって様々であり、女性に原因がある場合、男性に原因がある場合、または両方に原因がある場合などあらゆる可能性が考えられます。
こちらでは女性側の原因として考えられる3つの障害についてご紹介します。
妊娠するためには排卵することが大前提ですが、自力で排卵できない状態を「排卵障害」と言います。
排卵障害の原因は様々で、生活習慣の乱れからくる低体温、運動不足により十分な血液が卵巣に運ばれないことで引き起こされる卵巣機能の低下、ホルモンバランスの乱れや多嚢包性卵巣によるものなどが考えられています。年齢が若くても排卵障害になることがありますので、注意が必要です。
子宮内に何かしらの原因があり、受精卵が子宮内膜に着床しない状態を「子宮着床障害」と言います。
ただ、この着床メカニズムは現在の医学でも解明できていない部分が多いのも事実です。
そんな中でも、受精卵の着床確率を下げる原因として考えられているのが、黄体機能不全によるもの、子宮内膜の癒着によるもの、子宮筋腫によるもの、子宮奇形によるもの、子宮内膜ポリープによるもの、子宮内膜炎によるものなどです。
卵管が詰まってしまい、受精卵が通れない状態のことを「卵管障害」と言います。女性の身体は排卵前になると、精子を迎えやすくするために卵管の中にある粘液を増やして粘性を下げます。しかし炎症や腫れなどで癒着が起き、卵管が狭くなると受精卵が移動できずに不妊の原因となってしまいます。
卵管は2本あるため、どちらか1本が正常であれば自然妊娠も可能ですが、粘液栓ができたり性感染症になったりして2本とも閉塞していると、自然妊娠は難しいと言えるでしょう。ただ軽い詰まりであれば、カテーテルを通して炭酸ガスや水、造影剤を送りこんで検査をする際に取り除かれる場合があります。
不妊の原因が女性だけとは限りません。男性不妊も増えているからこそ、一定期間妊娠がなければお二人で検査を受けることをおすすめします。
男性不妊に悩む方の90%以上は、造精機能障害に当てはまると言われています。この造精機能障害には、精子の数が著しく少なくなる乏精子症、精液の中に精子が確認できない無精子症、精子の運動率が32%以下の精子無力症などがあります。
ほとんどが子どもの頃にかかるおたふく風邪も、成人男性がかかると睾丸炎(精巣炎)を引き起こして不妊になる可能性があります。睾丸炎は。炎症と痛みを伴い、精巣の中の精子を作る細胞が死んでしまうため、おたふく風邪にまだかかっていない男性は注意が必要です。
喫煙は、精子の数や運動率を下げるだけではなく、勃起不全になる確率が高くなると言われています。過度な飲酒も精子を劣化させる原因となるため、妊活期間中はできるだけ控えるようにしましょう。
子宮の腫瘍として、子宮筋腫と子宮肉腫が挙げられます。どちらも子宮の腫瘍ではありますが、一番の大きな違いは良性か悪性かという点です。子宮筋腫は良性の腫瘍であるため、命に関わることはないとされています。
しかし、子宮肉腫は悪性の腫瘍であることから、そのままにしておくとリンパ節転移や肺転移などを引き起こす可能性がありますので早期発見による手術が必要です。子宮筋腫と子宮肉腫の判別は難しく、子宮筋腫だと思って細胞を調べてみると、実は子宮肉腫だったというケースも少なくありません。
子宮筋腫と子宮肉腫の原因は未だにはっきりと解明されていませんので、定期的な検診を受けて予防や早期発見を目指しましょう。
なかなか妊娠に至らない場合、「どのくらいの間妊娠しなければ不妊症なんだろう…」と悩むことでしょう。一般的に、排卵日とその前2日くらいを狙って性交渉をすると、89%が6周期までに、99%が12周期までに妊娠することがわかっています。
しかし、近年では晩婚化が進み女性の社会進出も著しくなっていることから、初めて妊娠する年齢が高くなっていて、日本産科婦人科学会によって不妊症の定義が「2年」から「1年」に変更されました。
妊娠を望んでいても1年妊娠しなければ、不妊検査を検討しましょう。また、基礎体温は記録しておくと便利です。月経周期によって検査内容が変わるため、検査や問診がスムーズになるだけではなく、自身の卵巣機能のサイクルを知るためにもおすすめです。
不妊で悩む方は女性だけでなく、男性の方にも起こる悩みでもあります。男性側の原因で起こる不妊は、どのような治療が行われるのかご存知でしょうか。男性不妊は、原因に応じて“内科的治療”と“外科的治療”が行われます。
内科治療とは薬物療法のことであり、機能性障害によって起こる問題をサポートします。射精時に精液が膀胱に逆流する逆行性射精は抗うつ薬を用いた治療を行い、不妊原因の一つである勃起不全(ED)も治療薬を用います。
外科的治療とは手術が必要な治療であり、精巣精子採取術や精路再建手術などがこれに当たります。男性が受ける不妊治療は、原因によって様々な方法があげられますので、まずは原因を追求するために必要な検査やカウンセリングを受けることが大切です。
婦人科の検診は子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮頸がん、子宮体がん、乳がんなど女性特有の病気を早期に発見するために行われる検診です。
デリケートな部分であるため検診を受けるのをためらう女性も多いですが、女性特有の病気は自覚症状が少ないものが多く、気がついたら病気が進行していたということもあります。 特にがんは早期発見・早期治療が重要です。30代を過ぎると子宮頸がんや乳がんの発症率も高くなるため年に1度は婦人科検診を受けることを強くおすすめします。
月経がいつもと違う、おりものが気になるといったちょっとした変化が病気のサインかもしれませんので、気になることがありましたらご相談ください。
卵巣は女性特有の臓器の一つで、様々な腫瘍ができやすい臓器と言われています。
主にどのような腫瘍があるのか見ていきましょう。
卵巣のう腫とは、卵巣の中に脂肪や液体が溜まったやわらかい腫瘍のことです。腫瘍ができる原因ははっきりしていませんが、その大半は良性で、一定の大きさを越える腫瘍は摘出手術を行うのが一般的です。
卵巣から分泌された漿液が溜まった状態を言います。思春期を越えた女性であれば、年齢を問わずできやすい腫瘍です。
閉経した女性に見られる「粘液性のう腫」は、粘液がゼラチン状に固まったもので、かなり大きくなるのが特徴です。
「皮様性のう腫」は胚細胞にできる腫瘍で、20~30代の若い女性に多く見られます。毛髪や歯などの組織を含んだドロドロの物質が卵巣に溜まった状態で、片方だけでなく両方の卵巣に生じる場合もあります。
子宮内膜症が卵巣内に発症する「チョコレートのう腫」も、20~30代の若い女性に多く見られる腫瘍です。生理の度に出血した血液が卵巣に溜まり、のう腫が作られます。
境界悪性腫瘍とは良性と悪性の中間の性質をもった腫瘍で、組織判断でどちらか確定します。悪性腫瘍に比べると良くなる可能性が高く、手術によって完治することも多いです。
卵巣腫瘍の約90%は良性ですが、残りの10%は悪性だとされています。
触ると硬い悪性腫瘍は、卵巣で排卵の度に組織がはがれ、修復される際に誤った形で修復されたことが原因だと考えられています。ただ、卵巣悪性腫瘍は抗がん剤が効きやすいがんの一つです。そのため、患者様の状態に合わせて化学療法を行います。
卵巣は腹部の奥に位置し、病気になっても自覚症状が現れにくいことから「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
そのため、定期的に卵巣腫瘍検診を受けることが大切です。
また、以下のような症状は卵巣に異常がある可能性があります。もし心当たりがあるようでしたら、ご来院ください。
女性特有の病気は様々なものが挙げられますが、その中の一つが「卵巣腫瘍(卵巣がん)」です。
卵巣腫瘍のリスクは、遺伝によって影響されます。家族の中で卵巣がんになった方がいる場合、そうでない人に比べて約3倍リスクが高まると言われています。
また、卵巣腫瘍は一生の排卵回数にも関係があります。未妊の方や初潮が早かった人、閉経が遅かった人などは排卵回数が多くなります。排卵する際に卵巣表面が傷ついてしまうと卵巣腫瘍につながることがありますので、リスクが高まりやすいのです。
他にも、子宮内膜症、糖尿病、喫煙、乳がんなどの病歴・家族歴を持つ方も卵巣腫瘍のリスクが高まる傾向にあります。気になる方は、ぜひ卵巣腫瘍検診を受けてみましょう。
子宮の腫瘍として、子宮筋腫と子宮肉腫が挙げられます。
どちらも子宮の腫瘍ではありますが、一番の大きな違いは良性か悪性かという点です。子宮筋腫は良性の腫瘍であるため、命に関わることはないとされています。しかし、子宮肉腫は悪性の腫瘍であることから、そのままにしておくとリンパ節転移や肺転移などを引き起こす可能性がありますので早期発見による手術が必要です。
子宮筋腫と子宮肉腫の判別は難しく、子宮筋腫だと思って細胞を調べてみると、実は子宮肉腫だったというケースも少なくありません。子宮筋腫と子宮肉腫の原因は未だにはっきりと解明されていませんので、定期的な検診を受けて予防や早期発見を目指しましょう。
女性だけの臓器である子宮は、骨盤に守られるようにして身体の下腹部に存在しています。
洋ナシを逆さにしたような形をしており、膣につながる部分は子宮頸部、出産まで赤ちゃんをとどめておく部分は子宮体部と呼ばれています。
子宮がんとは子宮内部に発生するがんのことですが、がんができる部分によって「子宮頸がん」「子宮体がん」と呼ばれ区別されています。
子宮頸がんは、子宮頸部の入口である外子宮口あたりに多く発生するがんです。
子宮頸がんのがん細胞はゆっくり増殖し、正常な細胞ががん細胞になるのに5~10年以上かかると言われています。そのため定期的な子宮がん検診を受けることで、早期発見・早期処置が可能になります。
子宮体がんは子宮内膜に多く発生するがんで、子宮内膜がんとも呼ばれています。子宮内膜は生理の度に剥がれるため、閉経前に子宮体がんを発生することはほとんどありません。主に40代後半から発生する方が増え、発生率が最も高いのは50~60代、その後は減少傾向にあります。
子宮頸がん・子宮体がんどちらも初期段階では無症状で、痛みもありません。ただ、身体や分泌物に変化が現れるため、些細な変化や症状も見逃さないようにしましょう。
以下のような症状が出るなど、少しでも「変だな」と感じましたらご相談ください。
避妊方法にはいくつか種類があり、その一つとして低用量ピルが利用されています。ピルは経口避妊薬であり、避妊を目的とした飲み薬の通称です。日本では医師による処方が必要なので、実費診療によって利用できます。ピルにも様々な種類があり、その中でも低用量ピルは副作用を大幅に軽減できる安全性の高さが特徴です。
また、避妊効果による役割だけでなく、生理痛の軽減や出血の減少にも役立てることができ、生理不順でお悩みの方にも利用される薬です。性感染症の予防を目的として一般的に利用されているコンドームと併用することで、避妊率を高めることができます。
低用量ピルは毎日服用することが大切であり、その働きを最大限活かすためには飲み忘れがないように習慣として飲み続ける必要があります。低用量ピルに関する詳しいご質問がある方はご相談ください。
更年期障害は肌トラブルの原因にも!?
女性は40代・50代頃になると更年期障害で悩む方が多くなります。更年期に入る女性は、身体の変化に伴い肌トラブルを引き起こす方も少なくありません。例えば、美容成分の減少によるシワ・たるみ・くすみなどは、更年期障害によって起こるホルモンバランスの変化が原因なのです。
女性ホルモンが減少することはハリのある肌を保つために必要なコラーゲンやヒアルロン酸などの減少にも影響を与え、肌の健やかな状態を崩してしまうとターンオーバーの乱れにつながります。更年期障害によって現れる症状は人それぞれですが、症状が重い場合にはセルフケアが難しく、心身ともにストレスを抱えやすくなってしまいます。
更年期障害の治療にも様々な方法があり、ホルモンを補充する治療では、閉経前後に体内で不足した女性ホルモンを飲み薬や貼り薬で補充していきます。ホルモンバランスを整えることで、更年期障害の症状をサポートするだけでなく、ホルモンバランスの影響による肌トラブルの解決も目指せるでしょう。